【WEB連載】「私のピアサポート!2023.11月号」
長嶋美来さん
テーマ:『あきらめなければならなかった日から…』
皆さん、こんにちは。
今回、執筆のご依頼を承り、どのようなことを記すべきか悩んでいましたが、私が今一番身近に感じている「ピアサポート」について執筆したいと思いました。
私は自分の日常の一部なのに今でも受け容れきれないことや諦めなければいけないことがあります。
一人ひとりにそのようなことがあるかもしれません。
しかし、私の「あきらめなければならないこと」はだんだんと「選択できること」に変化しています。
私は今、月経について研究しています。
私を含め、生理を経験している女性にとって生理は生活の一部になりすぎて、どこか折り合いをつけ、気にしないようにしている日がある気がします。それでもやはり集中できなかったり、イライラしてしまいます。そして生理自体が病気ではないので特段、誰かに相談することや今以上の処置を求めないような現状にあります。
「あえて話すようなことでもないこと」だと思っていることを人に伝える必要はあるのか?わざわざ言ってみても良いのか…と思っていました。
しかし、悩んでいる想いとは裏腹に、私には研究というツールによって生理について触れる機会が増えました。そして必然的に、自然発生的に自分から相手に研究や生理について話すようになりました。
いつの間にか周りには生理について話す仲間が増えました。
学校の性教育を変えたいという友人、韓国の生理事情を教えてくれる韓国の友人、子宮の手術をした経験がある知り合い、便利な生理用品を紹介してくれる幼馴染、生理で辛い日に声をかけてくれる大学の友人。
皆、同じ生理現象を経験しているはずなのに、それぞれの体験を積み重ねていました。
決して、毎月の自分を肯定的に捉えられることはありませんし、自分のことを話すことは容易ではありません。しかし、今はあの「あきらめなければならない月」で落ち込んでいた自分から、一人ひとりと共有した捉え方と経験によって「選択できる月」を獲得した気がします。そんなバージョンアップしているような想いにさせてくれる仲間(ピアサポーターたち)の存在に気づくことができました。