【WEB連載】「私のピアサポート!2023.7月号」
松尾志乃 / 北海道ピアサポート協会
「仕事とピアサポート」
こんにちは。私は北海道ピアサポート協会の活動サポーターを経て、昨年10月よりピアデザインで調理員として働いています。
この文章を書かせて頂くにあたって「ピアサポート」についてあらためて考えているのですが、うまくまとまらないため思うところをそのまま述べていこうと思います。
というのも、きっと以前の私であれば、ピアサポートとは同じ悩みを持つ人同士の分かち合いで、当事者と支援者が協働するもの…などなど、教科書的な答えがすぐに出てきたでしょう。
しかし、ピアデザインで働いていると、そのような理論を超えた「ピアサポート」を日々体感しているように思います。
私はこれまでの人生で、学生時代のアルバイトを含めたくさんの職場を経験してきました。人間関係や業務上で辛く苦しい思いをしたこともある中で、今回こんなにも居心地の良い職場に出会うことができ、正直なところ驚いてさえいます。一体今までと何が違うのか、私なりにちょっと考えてみました。
ピアデザインの私の部署には「安心と安全の合意」という取り決めがあります。WRAPを元にしているそうなのですが、その名の通り、ピアデザインで過ごす人が安心安全な気持ちでいられるように皆で取り決めを作り、毎朝ミーティングで合意を取ります。
・ウェルカムな雰囲気を心がけること
・体調の悪い時は無理せず相談すること
などなど、上記がその例です。
この合意があるからという理由だけではないですが、他者への配慮や自分を労ることなどが、働く上での基本的な前提として保証されているのです。そしてそれは利用者や職員といった、立場は全く関係ありません。
考えてみればすごく単純な仕組みのようにも思います。周りの人も自分も大切にすること。お互いを尊重して、前向きに歩み寄ること。それができれば、仕事上で辛い思いをして心を病む人は少なからず減るはずです。でも世の中の職場がなかなか実践できないのは、支配的な労使関係や成果主義、社会的弱者への差別…などなど色々と根付いたものがあるからなのでしょうか。
偉そうに言ってますが、私自身も働く中で、私の言動により不快な思いを周りに与えてしまったことも今までに多くあります。あの時どうすればよかったのかと思い返す時に、今のピアデザインでの働き方が答えを示してくれる気がします。
とにかくここに来てからというもの、こんなことが頭に浮かんだりしています。
結論ですが、私はピアデザインで仕事をしている自分が好きです。これからもそう言える人生でありたいと思っています。
そして私が日々感じているピアサポートが世の中にどんどん浸透していくことを心から願い、自身も微力ながらそれに携われるように活動していきたいです。