【WEB連載】「私のピアサポート!2024.1月号」
「無理して頑張らなきゃいけない仕事との両立」
稲荷宏昭/北海道ピアサポート協会 応援サポーター
執筆の依頼を賜りたいへん嬉しく思い執筆させて頂きます北海道札幌市在住で看護補助者
として勤務しています稲荷と申します。
闘病生活と社会生活の両立の難しさを実感したのは一度や二度ではありません。現に私は
看護補助者としては20ヶ月余りの新人ですが、以前は建設業、製造業で25年近く働いていました。
何度も転職をしましたがその転職の原因となったのが仕事で無理をして病状悪化再燃による通院、入院による欠勤によるものでした。普通の人と同様の仕事をこなすためには無理をしなきゃならない場面が少なくありません。
難病持ちの自分を何度説明しても十分に理解してもらえずマイナス評価、非正規雇用から正規雇用へのキャリアアップの対象外となった事がありました。
悔しさと悲しさを何度も味わいました。
若い人材が今後の経済を支えていって欲しい。
これからの未来を担う希望の人材。
その若い人材に多いIBD患者。そしてIBD患者である事を隠している人たちがたくさんいます。その人の力になりたい。そう切に願うのです。
現在は看護補助者として透析患者さんと接しています。患者さんはIBD患者さんと同様食事制限(主に水分)があります。私は勤務している誰よりも食事制限の辛さを分かってあげられると思っています。
ある日、透析患者さんへの栄養指導の難しさを管理栄養士さんから伺った事があります。
しかし自分も闘病生活で栄養指導を受けそれを実践する辛さを知っているので苦しんでいる透析患者さんから話を聞いてあげ、これから生きていくための食事制限を共に頑張ろうと約束するのです。
まだ若く医療従事者に就く前の自分は医師や看護師、薬剤師、管理栄養士をはじめたくさんの医療従事者に支えられ、また家族にも協力してもらって今の自分があります。
これからは自分が医療従事者としてまた、ピアサポーターとして病気で苦しむ本人とご家族に役に立てるように活動をしていきたいと思います。
それが自分として恩返しとなると思っています。